The Koru-Moru's Manor
E-7 Windurst Walls,

Federation of Windurdt.
WELCOME TO THE VANA'DIEL WORLD'S MOST FAMOUS ADDRESS!


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コルモル先生の名探偵
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解明篇「うちが解いたにゃん(´▽`*)」
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 「なんだ?だしぬけに」
 「先生よりも早く、うちが謎を解いてしまいましたです(=´▽`=)」
 コルモル先生は苦笑しながら
 「なるほど、君の推理を拝聴しようか。多分間違ってると思うけど」

 「うちを見損なっては困るです。電光のように真実がひらめいたです」
ミスラ護民官はコルモル先生の手から鞄を受け取ると頭上にかざし
「この鞄こそがwwwお宝だったのですにゃwww」

 「・・・そう、なの?」コルモル先生はホノイゴモイ氏を振り返る。
 ホノイゴモイ氏は首を左右に振りながら「そんな鞄、そこらで売っている」と答えた。

 「違う、違う…そういう意味じゃないのです」追い詰められた鼠のようにミスラがその場で切りきり舞いしながら言った。
 「ナンジャ・モンジャさんは何かを盗ったのでないのです」
 「むほっ!何を言い出すんだ?このバカ女は」
 ホノイゴモイ氏はあきれて両手を広げた。

 「いや、いい線いってるよ」コルモル先生は微笑んで促した「続けたまえ」

 「今コルモル先生が鞄の蓋を開け閉めしているのを見て気づいたです。
鞄の口は何かをしまうときに開けて閉じるけれど、その反対に何かを取り出すときも開けて閉じるのです!」

 「ほう」と、ナンジャ・モンジャは顔をほころばす。
 「ビンゴ?」と、コルモル先生が呟いた。
 「何が言いたいんだ?」と、ホノイゴモイ氏は一同を見回す。

 やれやれとコルモル先生が代わって答える。
 「つまり、あんたは猜疑心の塊で、他人というものは自分の懐から物を掠めとっていく存在に過ぎんとしか思っていないからナンジャ・モンジャさんが何かを盗ったと思い込んでいるわけじゃよ」
 「しかし、あの時のしてやったりの会心の笑みは…」
 「ナンジャモンジャさんが、あんたのコレクション倉庫に、自分の持っていた何かを足して、記念に置いて行った…とは、考えられんかね?」
 「なんだと?????」

 「あんたとは意見の対立もあったじゃろうが、長年仕えた場所じゃ、名残惜しかろう。そこで記念に何かを持っていく人間もいれば、何かを残していこうと考える人間もいる。まして、あんたが自慢するコレクション倉庫じゃ。そこに自分の持ち物を、こっそり置いておけば、これから先もあんたは知らず知らずのうちにナンジャ・モンジャさんの形見を大切にし続けることになるじゃろう?」

 「そんなバカなことが…」
 「それをバカと思うおぬしが愚かなのじゃ。このうえなく優美な仕返しだとは思わんかね」
 コルモル先生が止めを刺すように静かに告げると、ホノイゴモイ氏はナンジャ・モンジャを見つめ、今までにない温かな口調で問いかけた。
 「教えてくれナンジャ・モンジャ、いったい何を遺した?」
 「それは…」ナンジャ・モンジャは口を開きかけ思い返したように微笑んだ
「言わぬが花でございましょう」

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   そして、もうひとつの結末
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 「お世話になりました、コルモル先生」
 「いやああ、ワシにかかれば何でもお見通し」
 「何言ってるにゃ!真相に最初に気づいたのはうちにゃ!先生はそれにお説教を足して美味しいとこ持っていっただけにゃ!」
 不平不満をだらだら垂れ流す猫を無視してコルモル先生はナンジャ・モンジャに問うた。
 「これからどうなさるおつもりか」
 ナンジャ・モンジャは名残惜しげにホノイゴモイ邸を振り返り
 「そうですね、身寄りもございませんし、しばらくは調理ギルドのツテでも当たって給仕の仕事なりとも探しましょうか」
 「あなたなら引く手あまたでしょうな。何しろホノイゴモイに仕えることができた我慢強いお人だ」
 コルモル先生は大きな頭を何度も前後に深く揺らしながら頷いた。
 「時に、ひとつお尋ねしてもよろしいか」
 「何でございましょうな」
 「あなたが置き土産にした物とは何です?」
 この問いにナンジャ・モンジャは愉快そうな笑みを唇の端に刻んで
 「置き土産にした物などありませんよ」
 「はて?」
 「先生には気の毒ですがあなたの推理は肝心なところが間違っておりました。私は何一つあの部屋から持ち出さなかったし、何一つあの部屋へは遺さなかった」
 「ほう?」
 「しかし、私はあの部屋で空の鞄の蓋を閉じたとき、確かにあの男から大切なものを盗んだのです」
 「はて、それは?」
 「ホノイゴモイ氏の心の平穏ですよ」
 そう言うとナンジャ・モンジャは初めて声高らかに笑った。
 「ふむ、しかし・・・」
 「そうです、先生のおかげで私の仕返しはあっけなく終わった」
 ナンジャ・モンジャは笑顔で手を差し出した
 「そうなってよかったのです、コルモル先生。あの男から心の平穏を奪ったと同時に、私も自分の心から安らぎを失っていました。悩み煩悶するホノイゴモイ氏の姿を見て、いい気味だと思う復讐心と気の毒に感じる自分とがせめぎあい、いつ真相を告白しようかと、苦しい思いをしていたのは私も同じことです」
 ナンジャ・モンジャはコルモル先生の手を強く握り締めながら
 「真相を打ち明ければ、ホノイゴモイ氏はより深く私を憎んだでしょう。でも、それをより穏やかな形で、別の結末に導いてくださった。感謝しますコルモル先生」

 「・・・・・・・・・」呆気にとられて一方的に感謝されて、コルモル先生は照れ隠しに再びホノイゴモイ邸を見上げた。
 窓の陰にすばやく身を引いた人影は、去り行くナンジャ・モンジャを惜しんで見送るホノイゴモイ氏か…

 そしてコルモル先生は読者の方へ顔を向けると
「同じトリックの黒後家蜘蛛の会とはだいぶ趣の違う人情話になってしまったのは、ワシの人徳というものじゃろうのう。うきゃきゃきゃきゃきゃ^^」
そう言って悪戯っぽく笑うと、ジュノへ向けてデジョンを発動した。

 K博士の忙しい週末が始まる。


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